ちなみにageha専属モデルのことを「ageモ」、読者モデルのことを「age嬢」と呼ぶよ!
ギャルの系統が多様化した2000年代。
それまでのギャルといえば肌を焼いている黒ギャルが王道でしたが、2000年に浜埼あゆみさんのブレイクによって肌を焼かないキレイめな白ギャルが誕生。
大きく分けると「黒ギャル派」と「白ギャル派」の2つの系統に分かれました。
その後2006年になるとギャル系ファッション雑誌「小悪魔ageha」が創刊され「白ギャル」がより一層人気を集めることになったのです。
髪を盛る「age嬢系ギャル」が激増
2006年に創刊された「小悪魔ageha」で当時専属モデルを務めていた桜井莉菜ちゃん(さくりな)、桃華絵里ちゃん(ももえり)、荒木さやかちゃんらの影響によって、巻き髪や逆毛を立てたボリュームのあるヘアスタイルをしているage嬢系ギャル(別名:アゲハ系ギャル)が流行しました。
age嬢系ギャルの特徴
スジ盛り・・・スプレータイプのヘアワックスを使い細かい毛束をたくさん作り、「スジ」のように盛る髪型のことです。
キャバクラ嬢やホストたちから人気のある髪型で、華やかさがありますね。
一言でまとめると“キャバクラ嬢のような容姿をしているギャル”です。
というのも「小悪魔ageha」はキャバクラ嬢としても働く専属モデルたちによって形成されたギャル雑誌です。夜の仕事で使われるようなドレス特集やメイクプロセス、盛り盛りのヘアスタイル特集のページが多かったため、その雑誌を参考にしたage嬢系ギャルがキャバクラ嬢のような容姿になるのは納得ですね。
現代のナチュラル志向とは全く異なり、当時のヘアメイクはとにかく“派手に盛る”ことがギャルのステータスでした。
さらに盛り髪はアレンジが無限大!盛り髪を専門とする「盛り師」と呼ばれる美容師も活躍していました。
当時はキャバクラ嬢に憧れを持つ若い子が多くいましたが、まさしく小悪魔agehaの影響だったのでしょう。
お人形のような「姫ギャル」登場!
age嬢系ギャルと並び人気があった「姫ギャル」は、小悪魔agehaのモデルさんやギャルのカリスマ益若つばさちゃん(通称:つーちゃん)の影響によって広まりました。
姫ギャルの特徴
MA*RS・・・MA*RS(マーズ)は、黒やビビッドピンクをベースに、花柄・リボン・フリルなどの甘め要素を詰め込んだデザインの洋服が売られている109ブランドです。
アゲ嬢系ギャル(小悪魔アゲハ読者のギャル)たちから人気がありました。
109ブランド・・・渋谷109の中にショップがあるブランドのこと。
LIZLISAやMA*RSなどの花柄・リボン・レースを使ったとにかく甘いブリブリな洋服に、メイクはたれ目で甘めなメイク、髪型は盛り髪にしてデカリボンや花のコサージュをつけたら「姫ギャル」の完成です。
LIZLISA=白ギャルに人気のブランドというイメージが強いですが、黒肌のつーちゃんがかわいく着こなす姿に感化され、黒ギャルたちからも人気を集めていました。
つーちゃん影響が強かったのか、当時LIZLISAのショップ店員さんも肌焼いてる黒ギャルが多かったんだよ~
黒ギャルなのにとことん甘い服装というギャップがたまらないね!
スウェット族・ジャージ族の登場
スウェット族・ジャージ族のイメージ
ギャルをはじめ多くの中高生の間で「PLAYBOY()」や「ユニクロ」のスウェット、adidasやNikeなどのスポーツメーカーのジャージにキティサン()を履いて遊びに行くスタイルが流行りました。
PLAYBOY・・・PLAYBOY(プレイボーイ)は、横を向いたうさぎがトレードマークのアパレルブランド。
キティサン・・・キティちゃんの健康サンダルの略称。
着こなし方
- セットアップで着る
- 上はロンT、下がスウェットorジャージ
- プリクラを撮りまくる
- 制服のスカート下にスウェットを履く
地元の友達と遊ぶときはだいたいスウェットやジャージが定番でした。
スウェットの中でもとくにPLAYBOYの黒色は人気すぎてなかなか手に入らないアイテムだったよ!
ギャルじゃない中高生の間でも流行ってたよね~😊✨
当時のギャルたちの様子
当時のギャルたちがしていたこと
- ギャルサーに入る
- 日サロへ通う
- プリクラを撮りまくる
- プリ帳(プリクラ帳) の作成
- 前略プロフィールで絡む
- mixiでマイミクになる
- croozblog(クルーズブログ)を書く
- 携帯の待ち受けは「画嬢」
- 「 魔法のiらんど」でケータイ小説を読む
ギャルサーに入る
ギャルサーは主に高校生のギャル・ギャル男が所属しているサークル。
週1ペースで渋谷センター街に集まり「ラブサン()」「D-1()」「キャンサミ()」などと呼ばれるギャルたちの青春ともいえるイベントに向けての話し合いをしたり、プリクラを撮ったりして過ごしていました。
サークルに入ると人脈が増えるため、集まりがない日でも渋谷のセンター街に行けば誰かしら知り合いに会える!というのがギャルたちにとってのステータスでした。
ラブサン・・・渋谷のギャルサーたちが協力し合い作り上げる、ギャル・ギャル男向けの夏一番盛り上がるイベントのことです。
ラブサンの主な内容は下記の通りです。
- 日本一のパリピを決める「パリピコンテスト」
- 人気ギャルモデルたちによるファッションショー
- ギャルたち注目のアーティストによるライブ
- ラブサンスタッフ(サー人)によるパラパラやヒップホップダンス
アーティストライブでは「あやまんJAPAN」や「Juliet(ジュリエット)」など当時絶大な人気のあったアーティストも多数登場していました。
正式名称は「LOVE SUNSHINE(ラブサンシャイン)」で、「D-1」と主催者が同じになります。
D-1・・・ラブサンと同じく、ギャルサーや渋谷系モデルが所属している事務所などによって作り上げられるギャル・ギャル男向けの冬一番盛り上がるイベントのことです。
D-1の主な内容は下記の通りです。
- 関東一可愛い女子高生を決める「関東女子高生ミスコン」
- ギャルたち注目のアーティストによるライブ
- 人気ギャルモデルたちによるファッションショー
- D-1スタッフ(サー人)によるパラパラやヒップホップダンス
中でも目玉なのが「関東女子高生ミスコン」。
過去にファッション雑誌ポップティーンで大活躍した舟山久美子ちゃん(くみっきー)や椎名ひかりちゃん(ぴかりん)、テラスハウスで注目を集めた永井理子ちゃん(りこぴん)などもグランプリに選出されており、「ギャルモデル界の登竜門」として注目されていました。
正式名称は「D-1 DREAM PROJECT」で、「ラブサン」と主催者が同じになります。
キャンサミ・・・毎夏「渋谷O-EAST」で開催されていたギャルの祭典のことです。
キャンサミの主な内容は下記の通りです。
- ギャル系ファッション雑誌egg・men’seggモデルによるファッションショー
- (イベント主催事務所の所属者がメインの)ギャルアーティストらによるライブ
- キャンサミスタッフらによるパラパラショー
「ラブサン」「D-1」と同様に渋谷系モデルが所属している事務所やギャルサーたちによって作り上げられるイベントでしたが、主催者が別のため内容が若干異なっていました。
中でも激アツだったのが、「egg・men’seggモデルによるファッションショー」。当時大人気のモデルさんたちが続々登場するファッションショーはイベント最大の盛り上がりを見せていました。
正式名称は「Campus Summit(キャンパスサミット)」です。
eggの吉田夏海ちゃんやPOPの青木英李ちゃんもギャルサー出身!
ギャルサーに入ることで憧れのモデルさんと知り合いになれたり、イベントで共演できたんだ!
日サロへ通う
白ギャル人気が高くなりつつあった時代ですが、ポップティーンやeggの人気モデルたちはまだまだ黒ギャルが多かった時代。
渋谷にある日焼けサロン「ブラッキー」や「SOLE(ソーレ)」は当時の人気モデルたちも通っていたため多くのギャルたちが通っていました。
プリクラを撮りまくる
女子高生やギャルの間では遊びの一環となっていたプリクラ。
「一生仲子」「我等友情永久不滅成」「○○同盟」などの落書きはギャルの定番でした。
この時代人気のあったプリクラ機といえば“花鳥風月”や“姫と小悪魔”
花鳥風月はとにかく盛れる!ということで多くの白ギャルたちから支持されていたプリ機です。
姫と小悪魔はふんわりかわいい“乙女パステル系”とパキッとしたビビットカラーの“小悪魔系”からモードを選べたため、白ギャル黒ギャル問わず多くのギャルから支持されていました。
姫と小悪魔は、当時ポップティーンで絶大な人気を誇っていたつーちゃんやまいまい、じゅんぽがイメージモデルを務めていたのもあってめちゃくちゃ撮りまくってたな~🥰
プリ帳(プリクラ帳) の作成
メモ帳にプリクラを貼ってデコる“プリ帳”が中高生の間で大流行していた頃
ギャルたちもみんなプリ帳を持っていて当たり前!
ポスカやカラーペンを使ったり、シールや雑誌の切り抜きを貼ったりしてプリ帳をデコっていました。
また、メモ帳じゃなく写真用のアルバムにギューギュー詰めで貼っていくスタイルも大人気!
ほぼ毎日更新されていくプリ帳を友達同士で見せ合いっこして過ごすことが定番でした。
前略プロフィールで絡む
前略プロフィールは自己紹介を作成するwebページ。
ゲストブック(通称:ゲスブ)で他校の子と絡んだり、新たな友達を作ることができたりするため、ギャルをはじめ多くの中高生が使っていました。
各項目をギャル文字でデコったり「リアルタイム」や「アルバム」のリンクを貼ったりするなどマイページを自己流アレンジしていました。
mixiでマイミクになる
mixiとは、友達や知り合いとのコミュニケーションを取れるソーシャル・ネットワーキングサービス(今でいうTwitterやInstagramのようなもの)のことです。
リア友とマイミク(mixi内での友達の呼び方)になったり、日記やアルバムを作ったり、気になるコミュニティに参加したりとギャルをはじめ多くの中高生が使っていました。
croozblog(クルーズブログ)を書く
Croozblogは10代~20代の女の子たちに人気のあったブログサービスです。
日常や“今日のメイク”“今日のコーデ”など各自好きなことを投稿できるというもので、後に有名ブロガー(現インフルエンサー、YouTuber)として活躍する子たちも大勢ブログを書いていました。携帯の待ち受けは「画嬢」
加工されたデコ画像やポエム画像のことをさす画嬢。
黒背景に白文字で「パネェくらい愛してる」など「パネェ」から始まる言葉が書かれている「パネェ画」。
パネェ画
ポエムやアーティストの歌詞が書かれている「ポエム画」「歌詞画」。
ポエム画
カップルがよく使っていた「ペア画」など様々な画嬢が流行し、多くのギャルが待ち受け画像に設定していました。
ペア画(彼女用・彼氏用で2枚に分かれています)
「 魔法のiらんど」でケータイ小説を読む
「Deep Love」「恋空」「teddy bear」などのケータイ小説が女子高生などの若い世代に流行し、共感を得ていました。
みんな夜な夜な「 魔法のiらんど」でケータイ小説を読んで、寝不足のまま学校へ行く…
ギャルを始め多くの中高生たちに流行っていました。
2006年頃はアゲ嬢系ギャルや姫ギャルが出現し始め白ギャル人気も高かった時代ですが、ギャル雑誌のPopteen・egg・Ranzukiモデルはまだまだ黒ギャルが多かったため、渋谷には白ギャル黒ギャル問わず多くのギャルが溢れていました。