「ギャル男とホストの違いは何?」と聞かれても、なかなか答えられない方も多いのではないでしょうか?
実際に、ギャル男のように髪の毛を盛ったホストや、ホストのようなファッションを好むギャル男も存在します。
このことから、ギャル男とホストの見た目は、ずいぶん近いように感じますよね。
では、どのような違いがあるのかを解説していきます!
ファッションの方向性の違い
- ギャル男にとっては、自分の個性を表現するもの
- ホストにとっては、時代のニーズに合わせて流行を取り入れるもの
ギャル男
ギャル男といえば、茶髪や金髪にメッシュ、そして髪の毛を盛り、派手な格好をしているのが特徴的です。
1990年代にギャル男ブームが到来して以降、さまざまなファッションスタイルを確立してきました。
たとえば、アメカジやサーフ系、渋谷系、センターGUY、そしてお兄系など、ギャル男のファッションは多種多様です。
ギャル男は、「派手なものが好き」「人よりも目立ちたい」という思いがあるため、おしゃれをすることが好きなうえに、ファッションへのこだわりも強い傾向にあります。
自分の好きなスタイルを貫いたり、あえて誰もやっていないようなファッションをしたりして楽しんでいました。
自分の好きな服を着て人よりも目立つことで、自分の心を満たしていたのかもしれません。
ファッションやヘアスタイルはギャル男にとって、自分の個性を表現するものなのです。
その結果、独自の「ギャル男ファッション=ギャル男文化」を築いてきたといえます。
ホスト
一方、ホストであれば誰しもが「人気者になりたい」「ナンバーワン」になりたいと思うのは当然です。
そのためには、まず女性ウケが良くなくてはなりません。
トーク力を磨くのはもちろんですが、女性の求める容姿を追求することも大切です!
ホスト業界の歴史をさかのぼってみると、時代に合わせてスタイルを変えていることがよくわかります。
ホストのファッションの変化
1965年に誕生したホストクラブは当初、女性のための社交ダンスクラブという設定だったため、フォーマルなスタイルが一般的でした。
リーゼントヘアーに正装が、この時代の女性にはウケていたようです。
1990年代になると、江口洋介さんや木村拓哉さんの影響により、ロン毛ブームが到来。
「ロン毛がかっこいい!」と言われていた時代で、ちょうどこの頃にギャル男が誕生しています。
ホスト業界でも、スーツ姿にロン毛が取り入れられるようになりました。
おそらくこの時代を皮切りに、「ギャル男」と「ホスト」の見た目が似ていると言われるようになったといえます。
そして、1999年に男性ファッション雑誌「men’s egg」が創刊されると、ロン毛スタイルを基本に、スジ盛り()が流行。
流行の波に乗ったホストが、次々にスジ盛りを取り入れるようになりました。
2003年に創刊された雑誌「MEN’S KNUCKLE」では、現役ホストがモデルに起用されるほど、「ギャル男」と「ホスト」の見た目は紙一重の差に。
スジ盛り・・・スプレータイプのヘアワックスを使い細かい毛束をたくさん作り、「スジ」のように盛る髪型のことです。
キャバクラ嬢やホストたちから人気のある髪型で、華やかさがありますね。
なぜホストは、ここまでギャル男に似ていたのか…。
その理由は単純で、時代の流行を取り入れていたからだといえます。
ホストは女性からの評価を得なければナンバーワンを獲得できません。
そのため、女性が「かっこいい!」「オシャレ!」と感じるよう、時代のニーズに対応する必要があったのです。
コミュニケーションの方向性の違い
- ギャル男にとっては、交流の輪を広げるためのもの
- ホストにとっては、時代のニーズに合わせて人を楽しませるもの
ギャル男
ギャル男は、見た目が派手なので軽く見られてしまいがち。
しかし、明るくてフレンドリーな性格は、ギャル男の良いところでもあります。
初対面の人でもフランクに話すので、すぐに相手の人と仲良くなれる点が長所です。
意外にも気遣いのできるギャル男が多いため、年齢を問わずに友人が多いように感じます。
ギャル男といえばナンパをしているイメージが強いと思うのですが、その親しみやすさからすぐに打ち解け合い、友人へと発展することも多いです。
そのため、男性のみならず女性の友人も多く、人脈の広さがギャル男の特徴でしょう。
しかし、フランクな性格であるがゆえに、目上の人にもタメ口を使ってしまうことがあるため、周囲からは敬遠されてしまうこともしばしば…。
ホスト
一方、ホストの仕事は、女性と会話をして楽しんでもらうこと。
ホストにとって、高いコミュニケーション能力は接客をするうえでの武器になります。
そのため、女性を褒めたり、会話を盛り上げたりすることが得意なホストが多いです。
職業柄、幅広い年代の女性と会話することが多いので、臨機応変に言葉を選ぶ必要があります。
これらのことから、頭の回転がはやく、気遣いのできるホストが多いのかもしれません。
ナンバーワンを目指すのであれば、それなりの努力も必要です。
向上心があり、努力家が多いのもホストの特徴ではないでしょうか。
さらに、ホスト業界はルールやマナーにも厳しく、無断欠勤や遅刻はもってのほか。
そのため、最低限の一般常識を持ち、目上の人にはしっかりと敬語を使う必要があります。
「接客のプロ」という意識を強く持っていなければ、長く続けられない職業かもしれないですね。
まとめ
ホストがギャル男のような容姿になったのは、ギャル男ブームの到来がきっかけです。
2000年代のホストといえば、茶髪や金髪でスジ盛りが定番化していました。
しかし、現在の歌舞伎町のホストランキングを見てみると、ギャル男のようなホストはほぼいません。
上位にランクインしているホストの多くが、かっこ良さとかわいさを兼ね備えた中性的な男性です。
K-POPの流行や、ジェンダーレスという言葉が注目されるようになったことが影響しているのではないでしょうか。
要するに、時代を無視して自分たちの文化を作り上げてきたギャル男に対し、ファッションやヘアスタイルを時代に合わせてきたのがホストであるといえるでしょう。
ギャル男ブームは衰退し、残念ながらあのころのようなギラギラとしたギャル男は見かけなくなってしまいました。
しかし、ホストは時代とともにファッションを変化させ、今もなお広く親しまれています。